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捜査当局の「見立て」と新聞報道はどうシンクロしているのか

[お知らせ]
  リニューアル第2号となる5月14日配信の有料メルマガは、「捜査当局の“見立て”と新聞報道はどうシンクロしているのか」。前号に引き続き、オウム真理教松本サリン事件と警察庁長官狙撃事件の取材体験を例に、新聞報道の裏側について詳しく解説しています。新コンテンツ、英語キュレーションも大好評です。

以下は本文の抜粋から


 冒頭に書いた「公安部は平田を長官狙撃のホシと見なしている」という話は、新聞やテレビはまだどこも報じていませんでした。しかしそれは各社が気づいていなかったということではありません。この話はおそらく96年当時のこの段階で、警視庁クラブに所属している新聞やテレビであれば、周知の情報でした。

 ではなぜ報じなかったのか? なぜなら、そこまで断定するほどの材料がその時点では出ておらず、あくまでも公安部の「見立て」でしかなかったからです。新聞の捜査当局取材は、だいたい次のようなプロセスで進んでいきます。

(1)捜査当局の「見立て」が新聞社に伝わる。この段階で新聞は取材をスタートし、その日に向けて準備。

(2)その「見立て」を断定的に裏付けられる「証拠」が現れる。この段階が、最大のスクープ合戦。「証拠」をつかんだ新聞社が「捜査当局は○○と判断 ○○の証拠から」といった特ダネをぶちかます。

(3)「見立て」と「証拠」をもとに、捜査当局が強制捜査に(ちなみに強制捜査というのは、家宅捜索か逮捕のこと)。この段階で一斉報道に入り、それまで準備していた数々のネタを撃ちまくる。人権侵害や業務妨害も何のその、強制捜査から1週間ぐらいは「何を書いてもOK」の姿勢で、持ちネタを朝刊夕刊でつないでいく。たとえば事前にホシとみられる人物をインタビュー取材しておき、逮捕されてから「逮捕前にこう語った」と報じるのはこの段階。

 私が捜査一課の刑事から「滋賀の信者が」というネタを引っ張ってきた時期は、まだこの(1)の時期でした。さらに加えて、この時期の取材は、あくまでも捜査当局の「見立て」が正しいという前提で、いずれ強制捜査が行われるだろうという予測のもとに行われる準備取材です。だからこの段階で「見立て」を否定する取材をしても何も意味がない、という警視庁キャップの意見は確かにその通りでした。

 仮に段階が(1)から(2)へと進んで「警視庁公安部、平田信容疑者を長官狙撃事件に関与と断定 ○○の証拠浮かぶ」というようなスクープが出たとしましょう。そこから新聞テレビは当局の見立てに従ってヨーイドンで一斉に報道をスタートさせ始めるわけで、そんな段階になって「実は平田は犯人じゃなかった」というようなネタを知っていたとしても書きようがありません。捜査当局の見立て=筋書きにそって、どれだけ情報を積み上げられるかというのが特ダネ競争の本質であり、その筋書きに沿わない情報が上がってきても、記事にはしにくいということなのです。

 私が以前から言っているメディア構造論に沿って言えば、

コンテンツ =長官狙撃事件
コンテキスト=平田信がホンボシであるという捜査当局の見立て

 ということです。長官狙撃コンテンツは、平田信ホンボシコンテキストにくるまれていて、異なるコンテキストに沿った情報が出てきても、捜査当局のコンテキストに合わない限り決して報じられない。そういう構造になっているということなのです。


(以下はメルマガ本文で!)


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■今週のIT最先端動向

ジオフェンシングは小売業界への福音となるか?
〜〜企業と消費者、「エンゲージメント」と「比較」のはざまで

 いまアメリカの小売業界では、ジオフェンシングが注目されているようです。従来のFoursquareのようなチェックインが、店舗に実際に入ってきたお客さんだけをターゲットにしていたのに対し、ジオフェンシングでは「店舗」というエリアよりももう少し広い「店舗周辺」「○○町の街区」というようなエリアを対象にしています。この若干広いエリアに入ってきたお客さんに対し、「このエリアにある○○の店舗ではいまこういう商品が注目ですよ」といったレコメンデーションのメッセージを送るのが、ジオフェンシングの最近のトレンドです。

 しかしこれがほんとうに効果があるのかはまだはっきりしません。WSJの記事によると、たとえば女性向けのファッションチェーンMauricesは、店舗の近くに来るとプロモーションのメッセージを送るサービスを開始しています。今のところ効果は定かではないのですが、「やってみなければわからないと期待している」という状況のようです。記事では「小売店はジオフェンシングに猛烈に期待している」と解説されています。

 そもそもレコメンデーションは、Amazonのように自分のいままさに現在の興味関心事に近い商品がおすすめされるから意味を持つのであって、単にエリアに紐付けされているだけでは、あまりにも「関連」が弱いといえます。だってアップルストアにiPhoneケースを買うために渋谷の公園通りを歩いているとき、「ABCマートでいまこんな靴が人気!」と自分が履かないようなビジネスシューズをお勧めされても、とうてい興味を持てるとは思えないでしょう?


(以下はメルマガ本文で!)

■今週のライフハック
〜〜Macで不具合が出てしまったときの解決方法


■(新コンテンツ)今週の英語キュレーション
本メルマガ限定で米国の注目IT系記事を紹介!

(たとえば以下のような内容です!)
 なぜ出版業界は、電子書籍にDRM(著作権管理)を出版業界は求めるのだろうか?という根源的な問いを書いています。そもそもDRMはコストがかかるわけです。無料ではありません。だから本来は、DRMにかけるコストと、そこで回復される逸失利益のバランスで考えなければならない。リスクマネジメントでいう「リスクとベネフィットのバランス」と同じ考え方ですね。
 たとえば紙幣について考えてみると、通し番号や透かしによって、偽造されるのを防いでいます。しかし紙の本には透かしも通し番号もありません。なぜでしょうか?
 記事には、「紙の本は、貨幣のようなものということ」と書かれています。つまり、わざわざコピー防止するのにかかるコストが割に合わないからです。そこまでコピー防止してまでコストをかけても、本のコピーによって失われる逸失利益はそれほど大きくないということです。だったら同じような価格帯(どころか紙の本よりもたいていは安い)電子書籍に、なぜわざわざ高いコストをかけてDRMをかける必要があるのでしょうか?
 紙幣には偽造防止がありますが、貨幣には偽造防止がありません。それと同じように、電子書籍も貨幣と同じ程度に扱えばいいのでは?
■Why We Should Stop Calling it DRM (and Maybe Abandon It Altogether)
http://bit.ly/JeivGt

■今週のキュレーション
今週ツイッターで紹介した記事の中から「これは読むべき!」を厳選して紹介しています。

今週のメルマガは全部で2万7000文字あります。


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マスメディア取材の「ウラを取る」って具体的には何をしてるのか

[お知らせ]
  5月7日配信の有料メルマガはリニューアル第1号となります。「マスメディア取材の「ウラを取る」って具体的には何をしてるのか」。日本のメディアの重大な問題点は「ニュースソースが開示されていない」ことです。新聞記者時代の実体験に基づき、オウム真理教松本サリン事件や警察庁長官狙撃事件を例に挙げながら詳しく解説しています。

以下は本文の抜粋から


 日本のメディアの問題点はかねてから数多く指摘されていますが、その中の重大なひとつとして「ニュースソースが開示されていない」ということがあります。たとえばよくマスコミで使われる「政府首脳」や「政府高官」は、官房長官と官房副長官のことであるというのはマスコミ関係者なら誰でも知っていますが、紙面上・番組上ではいっさい書かれていません。これらはまだ良い方で、警察・検察の取材の場合には「捜査一課の調べによると」「捜査本部が突き止めた」「東京地検は強制捜査に踏み切る模様だ」と、主語のない言い切りで記事は書かれていて、「捜査一課の誰がそれを言ったのか」「東京地検の誰が強制捜査に踏み切ると示唆したのか」ということはいっさい不明のままです。

 しかもこうした記事の場合、社内で他の記者がその情報源に再確認するといったことはいっさい行われていません。元日経記者の牧野洋さんが書かれているように、アメリカの大手紙などでは「ファクトチェッカー」と呼ばれる仕事があり、社内の第三者が再度ウラ取りを行っているようです。しかしこのような仕組みは日本のマスメディアには存在しません。

 なぜ他の記者によるウラ取りが行われないのか。それは非常に簡単なことで、日本の新聞記者にとっては警察や検察の「ネタ元」は自分だけのものであり、新聞社という組織の所有物ではないという感覚があるからです。

 私は先ごろ刊行した『当事者の時代』で、このネタ元と新聞記者の不思議な関係について詳しく紹介しました。本の中では「ネタ元の引き継ぎ」という不思議な慣行についても書いています。これは夜回りを受け付けてくれて特ダネを教えてくれる刑事との人間関係を、先輩記者から後輩記者へと引き継いでいくというものですが、ここでも「新聞社としてのネタ元」という感覚は存在しません。あくまでも先輩のネタ元が、徒弟制度的な新聞記者の世界の中で後輩へと個人的に引き継がれていく。そういう関係性なわけです。

 だからこの夜回りの世界では、ネタ元というニュースソースについて第三者がファクトチェックなどの検証を行うことはほとんど不可能と言えます。新聞社の上司が「そのネタは本物なのか?」と記者を問い詰めたとしても、「ネタ元はしっかりしてます」「大丈夫です」と記者が断言すれば、それ以上は追及しようがないということなのです。

 そしてこの構造が過去に、たくさんの酷い報道を生み出してきました。たとえば1994年のオウム真理教松本サリン事件では、被害者であるはずの河野義行さんが犯人扱いされました。この時は警察が河野さん宅を家宅捜索するなどして冤罪をリードしたのですが、マスメディアの側もめちゃめちゃな報道をしています。たとえば私が在籍していた毎日新聞では、事件直後に「河野さんが除草剤を作ろうとして調合に失敗した、と現場に駆けつけた救急隊員に語っていた」というスクープを掲載しています。

 もちろん、これは虚報でした。記事を書いたのは当時警察庁担当だった記者で、警察庁のネタ元の幹部がニュースソースでした。しかしこの幹部に他の記者が再確認するようなことはいっさいなく(そもそもどの幹部がネタ元だったのかさえ、書いた記者本人以外にはわかりようもありません)、またこの記事が誤報であることが分かった後も「記者が悪いのではなく、ネタ元の幹部の勘違いだったようだ」ということで社内的には一件落着していたのです。

(以下はメルマガ本文で!)


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■今週のIT最先端動向

「当事者の時代」における消費者と企業の関係はどのようなものか
〜〜アテンションエコノミーから、インテンションエコノミーへ

 アテンションエコノミーという言葉が流行語になったのは、グーグルが情報流通の基盤として台頭してきた2000年代前半のことでした。2005年に出た「アテンション!」というそのものずばりのタイトルの書籍が、ブームの引き金になっていたように記憶してます。

 情報が溢れているインターネット時代には、ただ情報を垂れ流すだけではダメで、どれだけ消費者の注意(アテンション)を惹きつけられるかがカギだということをこの本は説いていました。それまでのマスメディア中心の経済から、インターネットの情報爆発経済への変化をビビッドに捉えたという点で、この本の論はきわめて秀逸だったと言えます。

 この方向性の先に、いまのソーシャルメディアマーケティング論とか、ライフログによるレコメンデーション論があるといえるでしょう。つまり消費者の行動をどれだけ予測できるかどうかが、マーケティングのカギを握っているというのが共通認識になっているということなのです。

 いまブームになっているビッグデータ論は、数年前からさかんに言われているライフログとほぼ同じものです。つまりユーザーの購買履歴や閲覧履歴などを解析することによって、ユーザーの次の行動を予測できるというものです。しかしこのライフログレコ面デーションは、そんなに容易なものではないということを私はかねてから指摘してきました。

 ビッグデータを解析してレコメンドできるようなライフログテクノロジーは、遠い将来にはあり得るかもしれません。しかし現実には顧客の行動の情報をすべて集めるのは困難(自社の情報だけでなく、他社のサイトや店舗での履歴も収集する必要があるでしょう)で、そして仮に集められたとしてもそれらを解析するのにはあまりにも計算量が多く、莫大なコンピュータパワーを必要としてしまうからです。

 おまけにライフログは、しょせんはそのユーザーの「過去の行動」でしかありません。人の気持ちはどんどん変わります。過去の行動の履歴を解析しても、その時にはもう違うパッションへとユーザーの気持ちは移り変わってしまっている可能性があるということです。

(以下はメルマガ)本文で!

■今週のライフハック
飛行機のシートポケットにタブレットを置き忘れた!どうする!?

 先日、「うわ!飛行機の中にタブレットを忘れた!」というウォールストリートジャーナルの記事を見つけました。

 記事によると、飛行機が着陸してランプが消灯すると、まずスマートフォンでメールチェックしたりするのに忙しく、座席のシートポケットにiPadなどのタブレットを置き去りにしていく人が非常に多いそうです。シートポケットには雑誌やゴミなども突っ込んであるので、それらに紛れてしまうことが多いとか。

 たいていの場合はタブレットには名札などが付いておらず、パスワードロックがかけられていて電話番号などを調べることもできず、航空会社の倉庫に大量保管されているそうです。

 ヴァージンのような航空会社は、忘れ物を見つけるとメールを送ってきてくれるそうです。「座席にiPadを忘れませんでしたか?」。とはいえ、発見されたiPadは半数が持ち主不明のままというのが現実。アップルは「iPadを探す」サービスでiPadの現在の居場所を教えてくれますが、このサービスに登録していない人も多く、また仮に登録していても、3GやWiFiに接続されていなければ発見できません。


■(新コンテンツ)今週の英語キュレーション
本メルマガ限定で米国の注目IT系記事を紹介!

〜タブレットの入力をもっと楽にするには
〜横で寝てる人を邪魔しない電書リーダー
〜ニューヨークタイムズが開発した新しいソーシャル広告はすごい
〜アメリカの大手出版社が著作権管理を取りやめはじめた理由
〜ブログを本にする新しいプロジェクト
〜ビッグデータブームが間違っている理由とは

(たとえば以下のような内容です!)
 液晶のバックライトではなく、電子ペーパーの面全体を淡く照らす「フロントライト」が今年の電書リーダーの注目株になりそう。バーンズ&ノーブルの電書リーダー「Nook」がいち早くこのフロントライトGlowLightを搭載した「Nook Simple Touch with GlowLight」を今月発売するようです。これに合わせて、「ベッドサイドの照明で紙の本を読んだりKindleを読んだりすると一緒に寝てる人に迷惑がかかるけど、Nookなら照明消してひっそり本を読めるよ」というCMキャンペーンを展開中。「じゃあiPadでいいじゃん」という意見もあるかも知れませんが、ベッドサイドだとiPadは重いので、ライト付きの軽い電子ペーパーって就寝前読書の最強ツールかも。
■Barnes & Noble Ad Campaign: Kindle ‘Not That Good in Bed’
http://bit.ly/JT4G0K


■今週のキュレーション
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国産ビッグデータビジネスが躍進できない理由

[お知らせ]
   4月30日配信の有料メルマガは「国産ビッグデータビジネスが躍進できない理由」と題して、ネットのプライバシー問題について解説しています。ビッグデータビジネスの大半がライフログという顧客の行動履歴がらみのものであり、プライバシー問題とぶつかるものです。そもそも「プライバシー」とはなんなのでしょう。

以下は本文の抜粋から

 最近、インターネットとプライバシーの対立について書かれる記事があちこちで見られるようになってきました。Web2.0が言われるようになった2000年代半ば以降、ネットは徐々にパーソナライズされ、自分の生活(ライフログ)や関係(ソーシャルグラフ)を可視化させてしまうメディアとして進化してきています。普及していけば普及していくほどに、進化すれば進化していくほどに、プライバシーの問題とぶつかってくるのは当然の帰結です。今回は、この問題をどう読み解き、どのような方向性を見ていけばいいのかということを解説したいと思います。

■続グーグルの新プライバシー規定をめぐる混乱 ビック・データという新ゴールドラッシュ(前編)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31958

 典型的なのは、上記の小池良次さんの記事で書かれていたグーグルのプライバシーポリシー変更に関する騒動でしょう。くわしくはリンク先を読んでいただければと思いますが、ここに出てくるビッグデータという言葉が最近はすっかりIT分野の流行語になっていて、大手もさかんに「これからはビッグデータの時代」といったキャッチフレーズを繰り出してきています。たとえば総務省で私が出席している委員会でも、今後の日本のIT戦略について「データを利活用して課題解決や新たな価値創造が可能な環境を」「多種多様のデータをリアルタイムに収集・伝送・解析し、問題を解決に」「新たなデータ活用ビジネスを創出」といった文言が資料に溢れています。

 とはいえ、この分野が簡単に日本の業界で離陸するのかといえば、実は非常にたくさんの困難が横たわっているのが現実です。そのもっとも大きな問題は、ビッグデータの中に含まれるプライバシーデータの取扱いでしょう。たとえば先ほどの総務省の委員会資料でいえば、ビッグデータがらみの新規ビジネスの例として次のようなものが挙げられています。

「レシピ投稿サイトに蓄積された検索ログをデータベース化し、食品メーカーにマーケティングデータとして販売」
「携帯電話のGPS機能で得られた現在地データとライフログを照合し、適切なレコメンデーション」
「ECサイトに蓄積された検索履歴を解析し、顧客ごとにカスタマイズされた商品のレコメンデーション」
「小売店にモーションセンサを設置し、顧客が手を伸ばす動作を記録する」

 このリストを見ていただければ、ビッグデータのビジネスの大半がライフログという顧客の行動履歴がらみのものであり、もろにプライバシーとぶつかるものばかりであることが理解していただけるのではないかと思います。

 ただしここで考えなければならないのは、プライバシーの問題には2つあるということです。

(1)そのサービスが個人情報保護法に抵触しているかどうか。
(2)そのサービスが「プライバシーを侵している」と感じられるような気持ち悪いものかどうか。

 (1)と(2)は排他の関係ではなく、交わりの関係です。個人情報保護法に抵触し、感覚的にも気持ち悪いサービスもありますし、法にはなんら触れていないけれども「気持ち悪いからやめてくれー」というようなものもあります。たとえば先ほどの総務省の4つの事例で言えば、最後の「小売店にモーションセンサを設置し、顧客が手を伸ばす動作を記録する」はどうでしょうか。


(以下はメルマガ本文で!)

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■今週のライフハック
Dropboxがものすごく簡単なファイル共有機能をリリース

 オンラインストレージサービスのDropBoxを使って、簡単に巨大ファイルやフォルダを知人や仕事先と共有できる方法がリリースされました。これすごく簡単です。

■今週の注目記事
出版はボタンにすぎない?

 アメリカのIT系論客、クレイ・シャーキーの「出版はいまやボタンにすぎない」という言葉が紹介されています。WordPressやKDPなどで「発行する(publish)」というボタンを押せば、それで終りということです。

 これだけを読むと、「また出版社不要論か!」と色めき立つ人もいるでしょう。しかしこのような出版の簡易化が、必ずしもパブリッシャーやエディターの仕事がなくなるというわけではありません。

■今週のキュレーション
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書籍コミュニティの可能性を探る

[お知らせ]
    4月23日配信の有料メルマガは「書籍コミュニティの可能性を探る〜編集者は作家と読者をつなげていくコミュニケーターのような存在となる」。書籍コミュニティとは? なぜフェイスブックじゃいけないんでしょうか?

(以下は本文の一部抜粋から)

 フェイスブックはリアルの人間関係を反映するソーシャルグラフの基盤です。だからそこでは、リアルの社会で行われているようなやりとりがそのまま反映されています。仕事の連絡もあれば、専門分野についての情報交換や議論もあり、そして日常の雑談やつぶやきなども含まれてきます。フレンドも同様で、必ずしも同じ趣味の人とだけでなく、会社の上司同僚や取引先、大学時代の友人などさまざまな関係性が複合的にフェイスブックのソーシャルグラフに乗っかっている状態です。

 だからなにかひとつの特化したテーマについてとことん語るということは、ちょっとフェイスブックではやりにくい。本メルマガでは何度も開設させていただいていることですが、ソーシャルメディアの人間関係には「ソーシャルグラフ(リアルの人間関係)」と「インタレストグラフ(興味対象でつながっている関係)」があり、トマトの苗の生育なんていうのは典型的なインタレストグラフということなんです。

 私たちが何かについて誰かと語るとき、つねにそれはソーシャルグラフに適したものなのか、それともインタレストグラフに適したものなのかということを無意識のうちに選択しています。「そんな難しいことやってないぜ!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、たとえば自分の趣味の話や仕事の専門的な話になったとき、「あ、この話題はここでやったら場をわきまえないって言われるかも」と判断してとっさに避ける、というようなことは日常的にあるのでは?



 さて、ではこのようなインタレストグラフを基盤としたソーシャルメディアを考える場合、2つの方向性があります。ひとつは、先ほどの「KAGOMEわくわくネットワーク」のような企業のオウンドメディア(オウンドメディアというのは、自社所有メディアというような意味です)。そしてもうひとつは、食べログや価格コムのようなクチコミサイトです。

■食べログ
http://tabelog.com/
■価格コム
http://kakaku.com/

 食べログや価格コムのようなクチコミサイトと、オウンドメディアはどこが違うのでしょうか? オウンドメディアは規模が小さく、扱われる商材も少ない。書籍の場合で言うと、パブリッシャーが自社の刊行物だけを扱うわけですから、規模が小さくなるのは当然のことです。これに対して食べログのようなクチコミのアグリゲーション(集約)サイトでは、扱われる店舗の数は膨大で、情報を横断的に検索することも可能です。


■今週のキュレーション
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今週のメルマガは全部で1万4000文字あります。


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電子書籍時代を担う新しい「パブリッシャー」の役割とは

[お知らせ]
   4月16日配信の有料メルマガは「電子書籍時代を担う新しい『パブリッシャー』の役割とは〜古い出版社ではなく、ベンチャー企業が読者と書き手を橋渡しする時代がやってくる」。電書パブリッシャーはどのような形になっていくのでしょうか?

(以下は本文の一部抜粋から)

 電書時代におけるパブリッシャーの役割は、どのようなものでしょうか。販売がマーケットプレイス的な電書プラットフォームに依拠しているため、余計な営業や人的手続などは不要です。それはほとんど以下の3つに絞られてきます。

(1)良い作品、良い作家の発掘。
(2)良い作品の編集。
(2)マーケティング。

 この中で(1)と(2)はまさに、「書籍を生み出す人々にフォーカスする」というカレン・ハンターの言葉通りです。

 また(3)については、Kindleなどのプラットフォームに依拠する以上、書店営業や取次営業は必要ありません。電書のマーケットプレイス的プラットフォームでは、「Amazonの中の人を接待する」というような営業は意味がなく、とにかくKindleというプラットフォームをどう活用するのかという戦略に完全にシフトします。そしてマーケティングは自然とソーシャルメディア上でどのようにビオトープを広げ、読者を獲得していくのかということが主軸となっていくでしょう。

 FODPでは、ビジネスを次のようにラインアップしています。

(1)新しい本の企画と編集
(2)新人作家の発掘コンテスト
(3)無料で配信される古典作品
(4)無料で本が借りられるライブラリー
(5)ブッククラブ(読書会)

 コンテストでは、優勝作品に賞金が授与されるのと同時に、FODPと出版契約できることになっています。対象は、児童書を除くすべてのジャンルのフィクション。文字数は3万5000語〜6万5000語。これが日本語の原稿にするとどの程度かと言えば、<日本語の文字数=英語の単語数×2>というのが非常に大ざっぱな計算方法なので、だいたい7万文字〜13万文字。まあ日本語の普通の本と同じ程度の分量ということです。

 またFODPのアカウントを取得する(無料)と、無料のライブラリにアクセスできるようになり、さまざまな電書をPDF形式でダウンロードできるようになっています。「ベンジャミンン・バトンの数奇な人生」や「ハックルベリー・フィンの冒険」などの名作も含まれているようです。

 またFODPのブッククラブも全米各地に広がっており、サイトを見るとすでに200以上が登録されているようです。日本ではブッククラブというコミュニティはそれほど普及していませんが(リーラボなど都市部で行われている読書会はすでにかなり盛りあがっては来ています)、アメリカではこれが女性を中心にかなり普及してきているといいます。

■今週の注目記事
グリー摘発の観測記事を考える

(一部抜粋)
 『急成長しているソーシャルゲーム。そのビジネスモデルを揺るがしかねない事態が起きている。ある政府関係者によれば最大手グリーの摘発に向けた検討が始まったもようで、「4〜5月が山場だ」というのだ』

 この「政府関係者」が誰を指すのかは明確ではなく、ニュースソースも提示されていません。ただ私の知る範囲内では、今のところ警察当局はグリーにはさほど興味は持ってないようです。なぜかといえば、これが賭博として立件できるようなものであるかどうかははなはだグレーであるというそういう理由からです。


 そもそも警察/検察当局が本腰を入れて捜査に入るのであれば、まず真っ先に動くメディアは警視庁クラブや司法クラブに所属している新聞社・通信社・テレビ局の社会部です。今のところこれら記者クラブメディアは、まったくソーシャルゲーム捜査については動いていません。これはすなわち、当局が動いていないということの傍証になっているということなのです。

 今のところ「GREE摘発へ」はダイアモンドが書いてるだけで、そしてダイアモンドは警視庁や警察庁には直接のルートは持っていません。となると、どこかのだれかが政治的に観測気球を上げてるだけというのが正解でしょう。


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