2月21日配信の有料メールマガジン「ネット未来地図レポート」は、「ソーシャル時代のセルフブランディング術を実践しよう(後編)」。TwitterやFacebook、ブログなどさまざまなソーシャルメディアをどう駆使すればいいのかという、その構築戦略についてマトリクス的思考法で解説しています。
以下は本文の抜粋から
まだ他にもさまざまなメディアがありますが、とりあえずこの主要な5メディアをモデルにして説明します。この5メディアを、先ほどの<ストック/フロー>、<コンテンツ/キャラクタ>というx軸、y軸でマトリクスに分類すると、以下のようになります。(図は略)
ストックには「情報をきちんと深く読んでもらえる」というメリットがありますが、しかしフローの情報が素早く流れるTwitterなどのリアルタイムウェブの世界につねに参加していくことができません。一方でフローに頼りすぎても、自分自身の価値をきちんと捉えてもらうのが逆に難しくなってしまうこともある。だからフローとストックをうまくバランスを取ることが大切なのです。
たとえば私個人に関して言えば、当初はウェブ(ブログ)と書籍という二つのストックコンテンツによって、自分自身のブランディングを進めました。これは前回お話しした通りです。しかしTwitterという極めて更新頻度の高いメディアが普及していく中で、このリアルタイム性、フローの情報の伝播力のすごさをうまく活用できないかと考えるようになります。
そういう時に出会ったのが、キュレーションという概念でした。これからは一次情報の発信だけでなく、それらの膨大な情報をうまく選別して人々と共有できるスキルが重要になる。そういう概念について書かれた記事をいくつか英文で読んで、「これを自分自身のブランディングの一環として始めてみたらよいのかも」と考えるようになります。そうしてTwitterを使い、自分が日ごろから収集している記事の1部をコメントとともに紹介するキュレーション活動を行うようになりました。
Twitterでは情報の密度は求められていません。そもそも140文字しかないという制限の下では、長文のブログに匹敵するような濃い情報を配信することは不可能です。仮にそのブログのURLをTweetしたとしても、膨大なフローの情報が流れ続けるTwitterの世界では、たった1本のブログの紹介Tweetなんてあっという間に埋もれてしまう。
しかしキュレーションであれば、「ひとつのTweetの情報は小粒で、1Tweetあたりの密度は低い」「しかしそれらのTweetを多くシェアすることによって、最終的に全体の情報量は増える」という長文のブログとはまた別の情報密度を作り上げることができます。つまりキュレーションは、フローのメディアにきわめてマッチしたブランディング戦術であるということなのです。
大好評! 今週のキュレーション
毎週佐々木俊尚がTwitte上でキュレート(情報を収集選別し、意味づけを与えて共有すること)したウェブの記事を一挙公開しています。今週は約95本!。Twitterは流れが速すぎて追いかけきれないという人は、週のはじめにこちらからまとめてどうぞ。
今週の注目記事は3本。これも抜粋です
Grouponのフラッシュマーケがさまざまな問題を引き起こしているのは、単なる営業マンの質とかそういうことではなく、どうもビジネスモデルに内在する問題なのではないか?ということが語られるようになってきています。フラッシュマーケはバーゲンハンターをどうしても排除できず、これが良い客と店の間のエンゲージメントを阻害する要因になっているわけですが、実は昨年発表されたGroupon2.0はこの問題を回避していく良い方向になるはず。しかしフラッシュマーケが真似されやすいビジネスモデルでレッドオーシャン化していっている中では、2.0化が間に合わない可能性もあるかもしれません。
■米国ではグルーポンの何が問題になってるのか
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