11月21日配信の有料メルマガは「グローバリゼーションの本質はプラットフォーム化である」。グローバリゼーションとは、国ごとの垂直統合が消滅して水平分業化し、レイヤーが外部化されていくことであるということ。それをテレビビジネスの今後の崩壊を例に挙げて説明しています。
以下は本文の抜粋から
グーグルはアップデートされたGoogleTVにAndroid Marketを搭載することを発表しています。またアップルの受像機もおそらくはiOSを搭載し、App Storeが利用できるようになるでしょう。これはテレビ受像機が従来のなにもできない「ダム端末」ではなく、オープンなアプリケーションのプラットフォームへと進化していくことを意味しています。
このような変化は過去に何度も起きています。メインフレーム(大型汎用機)のようなハードとソフトが一体となったコンピュータから、ハードとソフトが水平分離されたパソコンへの変化。同じようにコンシューマの分野では、機能固定のワープロ専用機から、自分でアプリを入れ替えられるパソコンへの変化。そして最近だと、国産のガラケーからスマートフォンへの変化。つねにコンピュータ機器は、垂直統合から水平分離へと進んできました。そしてこの変化が家電の最後のフロンティアと言われるテレビの世界へとこれからやってこようとしているということです。
これは何をもたらすのでしょうか。
端的に言ってしまえば、それは「ビジネスをレイヤーに切り出し、水平分業化させていく」ということを招きます。たとえばガラケーでは、通信キャリアがすべてのビジネスを垂直統合し、機器本体でさえも通信キャリア経由で販売されていました。またiモードのコンテンツは結局、iモードのメニューページの上位に表示されるかどうかで著しく売上が左右され、このためiモードのCP(コンテンツプロバイダ)はキャリアへの営業接待に血道を上げるというようなことに陥ってしまったのは有名な話です。
スマートフォンでは、これらが水平分業化しています。「回線」「機器」「OS」「アプリ」「決済」などのレイヤーが切り出されていき、しかもそのレイヤーを握るのは従来の通信キャリアではなく、機器メーカーやOSメーカーに以降していってしまっています。
これは今後、テレビの世界でも起きてくるでしょう。テレビ受像機がアプリのオープンプラットフォームになれば、まずアプリが切り出され、サードパーティーが参加自由になります。たとえば視聴者がニュースを見ようと思った場合、従来なら「いま見ているチャンネルでニュースを始まるのを待つ」か「ニュース専用チャンネルに変える」というチャンネル変更の選択肢しかありませんでした。しかしアプリ経由であれば、「フォックスニュースのアプリを起動して番組を見る」「誰かどこかのサードパーティーが作ったニュース番組キュレーションアプリを起動し、各局のニュース番組の中でIT系だけキュレーションしHDDに保存されていたものを横断的に見る」というようなことが可能になってしまいます(ここでは著作権の問題が生じてくるかもしれませんが、話が複雑になるのでちょっと置いておいて)。
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