12月19日配信の有料メルマガは「TwitterやFacebookを『流行のトレンド』ととらえるのは大きな間違いだ〜ソーシャルメディアはジグソーパズルのピースである」。経済誌や広告代理店の口車に乗せられて、ソーシャルメディアでマスキャンペーンをやろうとすることの危険性を解説しています。
以下は本文の抜粋から
それなのになぜこれほど日本国内でセカンドライフが盛り上がってたのかといえば、当時言われていたように「仮想空間の動画を見せれば、ITに弱い会社経営者でも『こりゃ面白い』とすぐに理解できる」というような、IT無知が原因。それを承知で電通がバブルを煽って無知な経営者を煽ったというのが実状でした。ちなみにショールームを出した企業はどこも広告効果がまったく出ず、結果的に電通はコンサル料をほとんど回収できなかったという話を後に聞きました。セカンドライフの伝道者としてメディアに露出しまくっていたあの電通の担当者の方はいまどうされているのやら・・。
結局のところ、セカンドライフは広告業界にとっての「新たな商材」にすぎなかったというわけです。そしてセカンドライフのプチバブル崩壊後も、そのような新たな商材探しが次々に行われています。ミクシィが普及し始めると「これからはSNSマーケティング!」と大騒ぎし、Twitterが出てくると「ブログは終わった。これからはTwitterだ!」。そして最近ではご存じの通りFacebookブーム。今年初め、Facebookを舞台にした映画『ソーシャルネットワーク』が公開されたころはプチFacebookバブル状態となり、たとえば週刊エコノミストは「フェイスブック大旋風」とあおり、週刊ダイヤモンドは「2011年フェイスブックの旅 全世界で6億人がつながるネットワーク」とぶち上げました。
この経済紙の悪のりと共犯関係にある広告業界は、これらの雑誌を手に企業に営業攻勢をかけ、「フェイスブックでマーケティングしないと乗り遅れますよ!」的なノリでIT無知な企業からお金をむしり取る・・というような構図がここ数年定着してしまっているのです。
実際、私もそのような場面はたくさん目にしました。どう考えてもFacebookを使ってないであろうシニア層にしか訴求しなさそうな商品のマーケティングをFacebookページで展開し、そしてその案件を扱っているのは、当然のように大手広告企業のメハシの聞きそうな営業マンという構図・・。「この商品、Facebookユーザーとセグメントが合うんですか?」と試しに聞いてみると、「先端的な仕事をしている若い人たちに使ってほしいので」とその実直そうなメーカー担当者は答えてくれましたが、きちんとマーケティングリサーチしている様子はなく、広告企業の営業マンの口車にうまく乗せられているという雰囲気が濃厚でした。
しかし現在のソーシャルメディアは、マスマーケティングではありません。Twitterは2000万人、Facebookはわずか500万人。日本人全体から見れば、利用者層はまだ少数派でしかないのが実状です。「でも2000万人も使ってるんでしょう? すごいマスボリュームじゃないですか」と反論される方かもいるかもしれません。しかしTwitterのユーザー数2000万人というのは、「特定のあるテレビ番組を数百万人が見ている」というマスボリュームとは、まったく質が違います。
そこで冒頭に掲げた「ソーシャルメディアは流行のトレンドではない」という結論に戻りたいと思います。この理由は2つあります。
(以下はメルマガ本文で!)
他にもコンテンツ満載!
■今週のライフハック
本を書くということ
「プロの書き手でなくても本を出せる機会は、以前と比べればずっと多くなりました。これは出版不況のせいで出版社が本を大量に出し続けなければ資金がショートしてしまうと言う悲惨な自転車操業状態の副効用ですが、ブログの普及によって日常的に文章をたくさん書くことに慣れている人が増えたということも背景にあります。本をたくさん出したい出版社が、そういうブログの書き手に目を付けて本を書いてもらって・・というような状況がいま起きてきているわけです・・」
■今週の注目記事
電子書籍がコミュニティになる未来とは
「この記事では、本が完全にKindleのようなプラットフォームに支配されてしまうのではなく、かといって従来のパッケージを温存するのではなく、ある程度プラットフォームから独立したかたちでどのようにしてコンテキストを作りうるのかという方向性について面白い観点を提示しています。
KindleやiTunesのようなプラットフォームは決済や配信の部分を独占的に担います。しかしiTunesStore上で良い音楽がなかなか見つけられず、ソーシャルメディアで好きな音楽を見つけそこからの導線でiTunesにたどり着くように、コンテンツとの出会いはべつのソーシャルメディアのような場所で用意される、というのが実のところ現実的な未来となっています・・」
■今週のキュレーション
12月12日〜12月19日にキュレーションした記事の中から「これは読むべき!」を厳選して紹介しています。
今週のメルマガは全部で1万8000文字あります。